台湾移住が楽しそう【大原扁理】

今日、大原扁理さんの台湾移住についての本を読んだので、印象に残っていることを少し書いてみたい。最近彼の本にハマっていてまた図書館で借りてきてしまった。この一冊でほとんどコンプリートしたかも。

月5万の生活

ざっと家賃1万5000円、生活費2万5000円、航空券積立1万円くらい(ビザの関係で3ヶ月に一回日本に帰ってこないといけないらしい)コロナ&円安の前だから今はもう少し必要だろう。でも人生で一回くらい海外で暮らすのも楽しそうだし、数ヶ月に一度、海外と日本を行き来するってちょっとワクワクする。

海外”旅行”には魅かれない

著者は非日常を体験する海外旅行はあまり好きではなく、ありふれた庶民の日常を感じるのが好きだという。これには非常に共感した。私自身何度か海外旅行をして感じていることだが、たとえ海外にいてもあまりやることは変わらない。寝て、ご飯を食べて、外を歩いて、本を読むだけだ。旅先でダラダラして何もしないくらいがちょうどいいのである。現地の日常に溶け込める移住は、そう感じるタイプの方にアリな選択肢かもしれない。

マイノリティへの理解

著者によると、 台湾では障がいを持った人、性的マイノリティ、外国人といった社会的に弱いとされる人に対して寛容な文化があるという。私自身台湾を訪れた際にもそれはなんとなく感じたし、トランスジェンダーのオードリータンさんがデジタル大臣をやるくらいだから国全体でもそういう気風はあるのだろう。日本ももっと多様なマイノリティ・社会的に弱い立場の人への理解や協力が進むともっと皆んなが生きやすい世の中になるのではないだろうか。人生100年時代、自分が弱い立場になることだってあるのだから。慌ただしい世界では私自身も自分を失いがちだが、常に優しくありたいと感じた。

 

 

【ゆるく生きる】ダウンシフターという生き方

最近私がハマっているブログ(すずひらの日記)で、髙坂勝さんの『減速して生きる』という本が紹介されており、実際に読んでみた。のんびり生きるのが好きな私の感性に近かったので思ったことを書いてみたい。

ざっくりと内容

まず、ダウンシフター(減速生活者)とは、過度な消費主義から抜け出し、ゆっくりとしたペースで生活する人たちのことだ。1990年代後半ごろに米国で発祥した概念である。彼らは家族やパートナーとより多くの時間を過ごし、意義が感じられる仕事をし、価値観に合った日々を送る。

本の著者である髙坂さんは、大手企業のサラリーマンとして、常に時間に追われ心身ともに疲弊していた。そして30歳で会社を辞め、個人経営の小さなBarを開業した後に、本格的に減速生活者としての人生が始まるのだ。具体的な内容は本書にかかれているので割愛する。

彼の生き方として印象的だったのは、ざっくりまとめると以下だ。
・ダウンサイジング→ 飲食店としては異例の週休二日、夕方からの営業のみ。自分にとって必要な分だけ働き、価値観に合った日々を送る。
半農半X→ 自分や家族が生きていくのに必要な米や大豆を自給自足し、自然とともに持続可能な生活を送る。

感じたこと

・今の社会だとより努力、成長、拡大が重視されすぎている。
現代の日本はもうすでに物質的に豊かだし、これ以上何を求めるのか。
環境の破壊は進んでいるし、過労で精神を病む人にもきりがない。

・現代の人はコンクリートの上で生活してばっかりで自然と関わる時間があまりにも減りすぎている。今のキャンプブームも人々の根底のところでそういった欲求が表出した結果なのじゃないか。

最後に、必要な分だけ働き、ゆっくりと時間を使い、自然と対話する、こういう生き方が認知されればもっと多くの人にとって生きやすい社会になるのではないか。私個人としても「拡大」ではなく「縮小」というテーマで人生を捉え直してみたい。

あと、斎藤幸平さんの『人新世の資本論』の概念をもっと、個人の生活に落とし込んだ感じだとも感じた。

 

 

忙しさに追われる現代人 『モモ』を読んでお金と時間を考える

先日、ミヒャエル・エンデの『モモ』という小説を読んだ。今から50年ほど前にドイツ児童文学賞を受賞した作品だ。時間・お金とはと何かといったことを考えるのに、良い本だと感じたので少し共有したい。

そもそもなぜ読んだのか

幼いときから母親のずっと机に置いてあって、有名な本だということはなんとなく知っていた。会社員として働き始めてからお金と時間について考えることが増えたので手に取ってみた。

ざっとあらすじ

モモと街の人々は仲良くのんびりと暮らしていた。そこに突如、全身灰色ずくめの時間貯蓄銀行の社員たちが現れる。 将来、利子で膨らんで返ってくる時間を条件に、人々に無駄な時間を節約するようにそそのかす。徐々に、大切な人と過ごす時間、のんびりとする時間がなくなり、街の人々の生活にどんどん余裕がなくなっていく。最後に、奪われたみんなの時間をモモが取り戻す。

印象に残ったパート

本書の中で印象に残った描写を以下にまとめた。

 "時間の節約を始める人が増えるにつれ、ほんとうはやりたくないが、そうするよりしかたないという人が増えていった。ラジオやテレビや新聞も新しい文明の利器で時間を節約する大切さを語り、それによって真の幸福や生活の豊かさが達成されると人々は信じるようになった。
 時間貯蓄家たちは、良い服装をして、お金を余計に稼いで余計に使う日々を送っている。その一方で、彼らは妙に不機嫌で怒りっぽく、疲れているのだ。余暇の時間でさえ、有意義に使おうと娯楽をせわしなく詰め込むのである。
 そんな自分たちの状況を省みる静けさを人々は嫌うようになり、生活には騒音が溢れるようになる。仕事に求めるものはいかに短い時間で多くの仕事ができたかという事実であり、仕事に対する楽しさ・愛情は二の次になってしまった。
 「時間を大切にせよ」という標語が街の至る所に、張り巡らされる。ついには、古くて味のあった街並みまでも変わっていってしまう。時間を節約するために、同じ形の高層住宅が立ち並び、人々の暮らしやすさといったことは無視されるようになった。一秒の無駄も、一センチの無駄もないのである。街の人々は、自分たちの暮らしが日ごとに画一的になり、さらには冷たくなっていることに目を向けようとしなくなっていった。

そして、時間について、筆者の言葉でこのパートは締めくくられる。

時間とは、生きるということ、そのものなのです。そして人の命は心を住みかとしているのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせ細っていくのです。

感じたこと

現代社会が完全に本書に書かれている世界になっているとはまだ思わないが、かなり近いものにはなっているのではないかと思う。常にタイパを意識して、お金を必要以上に稼いで必要以上に使っている。

・私自身も会社員生活を送るようになって、仕事の忙しさに忙殺されて不機嫌になっている自分にふと気づくことがある。学生時代は穏やかな性格だったのに。ふとしたときに立ち止まって考えるクセをつけないと、簡単に慌ただしい日常に飲み込まれてしまう。
 
・余暇についても、Netflixの動画を2倍速を詰め込む私たちはまさにこの状態ではないか。余裕や空白の時間が、幸せを感じる上では大切だと思う。

・時間貯蓄銀行のように、今を犠牲にして未来の時間を増やすことについて、結局は現在と未来に得るメリットのバランスの問題ではあるが、世間一般的に未来のために今を犠牲にするケースが多いように感じる。明日死ぬかもわからないし、今を自分らしく生きる人が増えるともっと多くの人が生きやすい社会になるのではないだろうか。

 

 

【本多静六】明治を生きた伝説の大富豪に学ぶ最強習慣

心穏やかに生きるためにはお金の心配をせずに暮らせることが大切だ。
先日彼の著作を読んだので、知る人ぞ知る日本が誇る伝説の大富豪、本多静六(ほんだ せいろく)について紹介したい。

彼は1866年に生まれ、日比谷公園などの現在も親しまれている公園を作り、「公園の父」として活躍した。東大で教授職をする傍ら、投資で巨万の富を築き、退官と同時に全財産を寄付したすごい人である。

彼が人生をかけて行っていた習慣は主に2つ
①収入の4分の1貯金
②毎日400字執筆 
だ。

ざっくり説明すると、
①については、収入の4分の1をすべてを貯金に回し、生活に余裕が出たら積極的に投資を行う。②は、人の役に立つ文章を毎日400字執筆するというものだ。

彼は25歳のときからこれらの習慣を始め、85歳で天寿を全うするまで継続し続けた。驚愕である。

現代ではネット証券が広く知られるようになり、ブログといった個人のメディアで情報発信を始める人が増えてきた。そんな現代でこういった習慣を続けたら何が起きるのか非常に気になるところだ。少しでも彼の習慣を取り入れて今後の人生を生きてみたい。